合格するには?”即戦力”となれるかが重要



受験シーズン、そして、オーディションシーズンでもありますね。



お教室から音楽大学に入学される方も少なくありません (^_^)




巷の「ボイトレ教室」という名のカラオケ教室とは違い、音楽大学お受験はもちろん、アーティストや楽器のミュージシャンとして、また、歌や音楽を必須とする俳優となった先で困らないよう、音楽の基礎(楽典・ソルフェージュ)、演技の基礎(演劇論に基づくもの)を徹底的に勉強していただいております。




音大入学後もそうですが(私は聴音が苦手で苦労しました)、合格した後で、苦労する方が多く見受けられます。




パーティ演奏のリハーサル時、演奏が上手だということでオーディションに合格し派遣されて来たギタリストさん。いざ譜面を配り打ち合わせが始まると、かなり話が進んだあとで毎回「今どこの話をしていますか?」「楽譜読めないんです」という始末。




確かに合格ラインは「演奏能力がある方」かもしれませんが、このあと数時間後には本番。進行や譜面の説明を最初からやり直し、肝心のリハーサルは出来ず・・・。これでは仕事になりません。この後1ヶ月もしない間に、この方は演奏者名簿から消えておりました。




音楽用語や基礎は世界共通です。どんな国の方とも、楽譜で意志の疎通が図れるのです。また、自分の想い(音楽)を楽譜にしたためれば、残し、共有することができるのです!レコーディングをする場合も、他のプロミュージシャンやエンジニアに自分のイメージがより伝わるようになります。音楽業界でお仕事する場合は必須です。(ジャズボーカルレッスン生は、ご自身のKEYで譜面を書けるように訓練します)




舞台稽古でもこんなことがありました。




企画もののミュージカルの初顔合わせ。台本と楽譜は2週間前に届いており、初日から歌レッスンとテーブル稽古(読み合わせ)があります。


数名のアンサンブルさんと私のソロ歌あわせのお時間で「皆さん事前に楽譜が渡っていますからある程度は歌えますよね?」と歌唱指導の先生が仰ると、「音取りをお願いします!」とアンサンブルの方。「では1回だけね」となったものの、この数名のアンサンブルさんたちが全く歌えずたった数曲を1時間かけて音取りされ、結果私とのあわせが出来ず(他の方とのあわせも出来ていなかったようです)、読み合わせ時の歌シーンではアンサンブル無しという惨事になりました。




読み合わせ後、演出家から「仕事をなめるな」と皆の前で叱咤される結果に。



アンサンブルだからと気を抜いたのでしょうか。歌はとても上手でしたが、そもそも楽譜が読めていないようでしたので、自己練習を怠ったらどうなるかわかると思うのですがね。公演後、このアンサンブルさんたちとこの関係カンパニーでご一緒することはありませんでした。




アンサンブルこそ、作品の雰囲気の土台を作ります。ダンスも歌もメンタルもプリンシパルを喰ってしまうぐらいの技量が必要だと思います。




大手の場合、皆さんが狙うのはアンサンブルでしょう。




これも本当に狭き門です。大手では、即戦力になるかどうかも、オーディション時にしっかりと見極められていると思います。




「この曲にハモってみて?」や、突然「この曲楽器で演奏できる?」「この役、あなたの役ではないけど少しやってみて」「この曲で自由に踊ってみて」など、様々な方面の基礎力を試される場面もよくあります。




「オカリナ吹ける?」と言われた時は、「吹いたことはありませんが、必要でしたらレッスンに通い間に合わせます!」と言ったこともあります。この稽古の帰りがけにオカリナを買い、楽器屋さんで少し練習したら運指が覚えられ、自宅でかなり練習をし、次の日の稽古では課題の曲をしっかりと吹いておりました。これはフルートやトランペットなどの吹奏楽器を習っていたことで応用が効いた為だと思われます。リコーダーにも近い感覚だったのが幸いでした。




音楽的センスがない方は「間に合わせます」とは言わない方がいいと思いますけどね。ここでも楽器演奏の基礎が役立ち、演出の意図に応えることが出来ました。その後もこの演出家さんよりお仕事をいただいております。基礎があれば即戦力となり信頼も厚くなるということでしょうかね。





音大(ミュージカル科・ポピュラー科・ジャズ科)を受ける方はもちろん、今目の前の子役の登竜門的ミュージカルを受ける方、また、仕事をしながら技術を磨き機会を狙っている大人の方、将来芸能の道に行くための基礎を今からつけようと思っているキッズや学生の皆さん、まず、基礎を身に付けましょう!基礎があれば応用できます!





お教室では、ソルフェージュのために、音楽高校・音楽大学の歌コースでよく使われる「コールユーブンゲン」を使用しております。





私が教えていただいていた地元の有名な声楽家の先生たちからは「音符と休符に注意して教則本どおりに歌うもの」と、教えられました。が、よく読むと、とてもいい内容で、とても良い順番で進んでいけるようになっており、「ただ音程にあわせて歌ってOKをもらう」ものではありませんでした(笑)。





何を教えてくれていたんでしょう?親のお金で何を習ってきたのでしょう。本当にもったいない!!!





どの先生もこのひとつひとつの課題の狙いを教えてくださらなかったので、私のお教室では、講師として教える立場になった場合でも、困らないよう、「課題の狙い」をまず理解してから取り組んでいただいております。(台本理解と同じですね。)






コールユーブンゲンは受験校で有名な開成館中学の音楽の授業で使われていたようで、学校の名前が入っております。もっと優れた教則本はたくさんあると思いますが、日本の歌界では有名ですので、これを使用しております。現場でコールユーブンゲンの話がでても困らないように、というねらいもあります。






この本でソルフェージュを鍛え、譜読み(楽譜をみてすぐピアノで演奏できる技術とは異なります)に強くなりましょう!







基礎を個人レッスンで学び、オーディション対策特別レッスンで応用する!試す!






こうして即戦力となれる技術をしっかりと身につけてゆきましょう🎵